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肥前ケシアド

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創業370年の歴史と伝統を持つ鶴屋が、江戸時代の南蛮菓子を復元

江戸時代、海外との唯一の窓口であった長崎。
当時、貴重だった砂糖はスペイン、ポルトガル、中国から海を渡り、 「長崎街道」を通って佐賀にも運ばれていました。
砂糖に恵まれた佐賀では多くの銘菓が誕生し、今なお愛されています。
2009年、佐賀の新たな銘菓「肥前ケシアド」が誕生しました。

ケシアドの起源、南蛮菓子「ケイジャーダ」

「御菓子司 鶴屋」は佐賀市城内にある、創業370年(1639年創業)以上の伝統を受け継ぐお店。
鶴屋には、お菓子の製法が記された「鶴屋文書」という本が代々受け継がれており、その本の中で、ポルトガルの銘菓「ケイジャーダ」というお菓子が紹介されています。
チーズをタルトに包んで焼き上げ、今でも日常的に食べられているこの伝統的なお菓子のレシピが日本に残っていたのです。
「鶴屋文書」によると、当時、入手困難なチーズに代わってかぼちゃを餡の代用として作り、「けし跡」「けし香」などの名前で佐賀藩主鍋島家にも献上されていたそうです。
日本国内で「ケイジャーダ」のレシピが残っていることは珍しく、鶴屋14代目の堤社長は、お菓子の再現に取り組まれました。

お菓子のこだわり

しっとりとした餡

堤社長はお菓子作りに取り組むにあたって、江戸時代の「ケイジャーダ」を再現するのではなく、これからの時代にも愛される新しいお菓子を作ろうと決意。
まず、お菓子の餡には元祖ポルトガルのチーズと、日本で代用されていたかぼちゃを混ぜて使うことにしました。
「いざ合わせてみると、なかなかうまくいきませんでした。かぼちゃの存在を損なわず、チーズの香りと特性を活かしたチーズは何かいろいろ試しました」と堤社長。
たどり着いたのは2種類のクリームチーズを使うこと。一つはティラミスなどに使われる、しとやかでかぼちゃを引き立たせるマスカルポーネ。もう一つは秘密、とのことですが、この2つのチーズを合わせることで餡の美味しさを引き立てることができました。

歯ごたえかる〜いタルト

濃厚な餡を包むのはさっくりとしたタルト。
口当たりを軽くるするために、生地の薄さにこだわりました。
試作段階で、なかなかタルトが薄くならず、パイ生地を使ってみたそうですが、膨らんでしまって不格好に。
改めて、クレープ生地ほどの薄さを目指して何度も作り直したそうです。
そこで誕生したのがこだわりのタルト生地。
歯を当てただけで崩れそうなのに、どっしりとした餡を包む包容力があります。

3年以上の時間をかけて

試作の時には、厳しい意見もあったそうですが、社長の長年の経験と舌、そして感性を研ぎ澄ますこと3年半の月日を経て完成したのがこの「肥前ケシアド」。 平成21年7月の販売予定ギリギリまで改良が続けられました。 一口ほおばると、サクッとしたタルトの中に、黄色い餡が顔をのぞかせます。 そして、かぼちゃとチーズが醸し出す上品な味。 これから長く愛されるお菓子を目指して、名前も「肥前ケシアド」と命名されました。 この伝統あるお菓子に、人気も上々とのことです。

お菓子がつなぐ世界

堤社長は完成直後に「肥前ケシアド」をケシアドの祖国とも言えるポルトガルの大使館に送られました。しばらくして1通の手紙がお店に届きました。
何とポルトガルの大使館からお礼の手紙が届いたのです。
手紙には『「肥前ケシアド」をお送りいただきまことにありがとうございました。(中略)ケイジャードに味もよく似ています。大変おいしく味わいながらいただきました』と書かれていたそうです。
予想外のことに、堤社長もびっくり。更に、2010年、日本・ポルトガル修交150周年の年に生まれたこのお菓子が、日本とポルトガルのつながりを更に強めてくれるのではないしょうか。

資料提供

合資会社 鶴屋菓子舗

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